この記事により読者等の方が受けた不利益について、弊法人および執筆者は法的に強制される範囲を除き一切責任を取りません。
内容に誤りがないよう慎重に執筆してはいるものの、万が一という場合もありますので、
この記事を読んで税務業務を行う方は、あくまでも参考程度にご利用いただき、
その上でお近くの税務署、地方公共団体税務担当窓口、税理士などに相談するようにしてください。
状況
今回 ( 令和4年7月12日 ~ 令和5年3月31日 ) の弊法人の状況は次の通り。
No. | 項目 | 状況 | 備考 | 関連する税目等 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 法人の事務所等が存在する | ×はい 最小行政区画は次の通り。 ・東京都中央区 (1か所) ・神奈川県横浜市 (1か所、本店) | 住民税均等割 | ||
2 | 収益事業 | 〇行わず | そもそも、事業自体を行っていない | 法人3税 | |
3 | 事業による売上 | 〇なし | 収入はすべて借入金又は寄付金 | 法人3税 客から預かっている消費税 | |
4 | 給与・報酬等の支払 | 〇なし | 源泉徴収 | ||
5 | 土地・家屋の取得 | 〇課税対象なし | 保有する土地は全て課税対象外。 内訳: ・月の土地 (米ルナエンバシー社の日本代理店から購入)。課税対象外 | 不動産取得税 | |
6 | 固定資産 (事業用の自動車・軽自動車除く)の保有 | 土地 | 〇課税対象なし | (「不動産の取得」に同じ) | 固定資産税 都市計画税 |
7 | 家屋 | 〇所有はせず | 各事務所等はすべて賃貸のため、弊法人は所有者=納税義務者ではない | ||
8 | 償却資産 | 〇なし | パソコンは所有しない。(社員の私物により活動) スマホは所有するが消耗品費で処理。 | ||
9 | 事業用の自動車・軽自動車 | 保有 | 〇なし | 自動車重量税 自動車税種別割 (旧 「自動車税」) 軽自動車税種別割 | |
10 | 取得 | 〇なし | 自動車税環境性能割 (旧 「自動車取得税」) 軽自動車税環境性能割 | ||
11 | その他 | 〇財産目録・事業報告書確認済 | 財産目録、事業報告書、国税庁の税金一覧ページを照らし合わせ、 新たに議論すべき税目が見当たらないことを確認。 |
論点の整理
- No. 1について。
NPO法人を持っている時点で申告を要する税目は、
法人3税のうちの、住民税の均等割のみである。(論点1)- これは、収益事業を行わない場合に減免されることがある。
今回はこれに該当するため、減免申請書等の提出について議論する必要がある。(論点2)
- これは、収益事業を行わない場合に減免されることがある。
- No. 2について。
収益事業を行う場合は、住民税均等割以外の法人3税が課されることとなる。
今回はこれに該当しない。
この場合は申告・納付の必要がない。 - No. 3について。
事業での売上が一定額を超えると、客から消費税を預かり、これを申告・納付する必要が出てくる。
今回はこれに該当しない。
この場合は申告・納付の必要がない。 - No. 4以降について。
今回は該当するものがない。
この場合は申告・納付の必要がない。
以上、2論点を炙り出した。
議論
論点1 住民税均等割の申告・納付先の整理
住民税均等割は、各事務所等のある都道府県及び市町村に申告・納付すべくする税目である。
但し、東京都23区内の事務所等だけは例外であり、市町村に対する分も合わせて都に申告・納付する。
今回の申告先は次の3つ。
- 神奈川県
- 横浜市
- 東京都
論点2 住民税均等割の減免可否についての調査
論点1で判明した3つの納付先において、それぞれ「収益事業を行わないNPO法人」に対する住民税均等割の減免措置が存在するか否かについてを調査すると、次の表の通りにまとめられた。
納付先 | 減免 | ソース |
---|---|---|
神奈川県 | 免除 (裁量なし) | 神奈川県県税条例施行規則 (令和4年12月20日規則第67号) 別表第2 「第2条第1号に規定する県民税の均等割の減免」 |
横浜市 | 「免除」または「減免なし」 (市長の裁量) | 横浜市市税条例施行規則(令和5年1月1日施行)第18条の3 第4項 |
東京都 | 「免除」または「減免なし」 (知事の裁量) | 東京都都税条例第百十七条の二 (蛇足: 東京都都税条例第二百六条 は、特別区以外に事務所等がある場合のものなので該当しない) 東京都都税条例施行規則(令和5年4月1日施行)第二十九条の四第1項第2号 |
以上のことから、各納付先に対して免除の可能性が確認できたため、
神奈川県、横浜市、東京都における「均等割の申告」、「減免の申請」の方法をそれぞれ議論する必要がある。これを論点3とする。
論点3 住民税均等割の申告と減免申請の方法についての調査
提出先 | 方法 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
申告・納付 | 減免申請 | |||||||
様式 | 締切日 | 提出方法 | ソース | 様式 | 締切日 | 提出方法 | ソース | |
神奈川県 | 均等割申告書(第11号様式).pdf | 4月30日 | 所管の県税事務所。 郵送可 ※ | 【e-kanagawa電子申請】申請書ダウンロード:申請書ダウンロード詳細 | 法人県民税均等割減免申請書.xlsx ・事業計画書 ・収支予算書 | 4月30日 | 所管の県税事務所。 郵送可 | 【e-kanagawa電子申請】申請書ダウンロード:申請書ダウンロード詳細 |
横浜市 | 均等割申告書(第22号の3様式)(PDF:663KB) | 4月30日 | 財政局法人課税課法人市民税担当 郵送可 | 申請書等様式・手引き(法人市民税に関するもの) 横浜市 | 市税減免申請書(第24号様式)(PDF:118KB) ・事業報告書 ・収支計算書 | 4月中 | 財政局法人課税課法人市民税担当 郵送可 | 申請書等様式・手引き(法人市民税に関するもの) 横浜市 |
東京都 | ⑤ 均等割申告書 | 4月30日 | 所轄の都税事務所。 郵送可 | ⑤法人事業税 特別法人事業税 地方法人特別税 法人都民税 「郵送可」のソースのみ次の通り。 都税事務所窓口の混雑緩和に向けたお願い ~来所せずにお手続が出来ます~ | 東京都主税局 | 均等割免除申請書 | 4月30日 | 所轄の都税事務所。 郵送可 | ⑤法人事業税 特別法人事業税 地方法人特別税 法人都民税 「郵送可」のソースのみ次の通り。 都税事務所窓口の混雑緩和に向けたお願い ~来所せずにお手続が出来ます~ | 東京都主税局 |
以上について、提出書類をまとめると、次の10通となった。
- 均等割申告書と減免申請書等 (提出先3つ × 2 = 6通) ①~⑥
- 前年度 (定款の定めに拘わらず、2022年4月1日、または成立の日 から 2023年3月31日まで)
の事業報告書 ⑦ 横浜市 - 前年度 (定款の定めに拘わらず、2022年4月1日、または成立の日 から 2023年3月31日まで)
の活動計算書 ⑧ 横浜市 - 今年度 (定款の定めに拘わらず、2023年4月1日 から 2024年3月31日まで)
の事業計画書 ⑨ 神奈川県 - 今年度 (定款の定めに拘わらず、2023年4月1日 から 2024年3月31日まで)
の活動予算書 ⑩ 神奈川県
書類作成
神奈川県 ①②⑨⑩

神奈川県における法人県民税・事業税の税率および特別法人事業税または地方法人特別税の税率 – 神奈川県ホームページ における、「各事業年度の税率表」の見出しにあった最新の pdf に、「(2) 法人県民税均等割の年額が2万円の法人は、次に掲げる法人です。 ア 公共法人及び公益法人等(地方税法第25条第1項に規定する法人は非課税です。また、法人税法別表第2に規定する独立行政法人で収益事業を行うものは資本金等の額に応じて均等割が課されます。)」と記載があった。







横浜市 ③④⑦⑧

法人の市民税 横浜市 > 5.均等割について > ◆均等割税率
にある表を参照。
「資本金等の額がないものとみなされる法人※2~5」の行、「「横浜みどり税」含む税率(年額)※1」の列。


令和3年度とは、法人成立の日 (令和4年7月12日) から 令和4年11月18日までのことである。

東京都 ⑤⑥

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